CEPマネジメント:自社ブランド専用の成長フレームワーク開発
「自社ブランドの育て方=虎の巻」は自社でつくるべき
みなさんの会社には「自社ブランドを育てるための理論やフレームワーク」がありますか?事業計画書やキャンペーン企画書のことではありません。「自社が属するカテゴリーはどのように買われるのか」「消費者行動にどのような規則性があるのか」「ブランドがどのように成長するのか」「どのようなオケージョン/セグメントに浸透率の伸びしろがあるのか」「どの利用文脈とどの商品属性を組み合わせるとロイアルティが高まるのか」「どのように販売数量のボリュームを増やし、既存顧客からのマージンを高めていくのか」―このような、カテゴリーや消費者行動に関するファクトをベースとした“虎の巻”がちゃんと整備されているでしょうか。
マーケティング業界では毎年のように新しいキーワードやフレームワークが登場します。ユニークな成功事例にも事欠きません。また、企業によってはジョブローテーションがあるため、同じ人がマーケティング部や広告宣伝部にずっと在籍できるとも限りません。その結果、「PDCA」や「学びの蓄積/共有」は形骸化した標語に成り下がり、実際は毎回ゼロベースでアイデアドリブンのキャンペーンをしている、借り物のフレームワークで他社の真似事をしているというケースも少なくありません。しかし本来は、各企業が「自社ブランドの育て方」を自前で作り、持っておくべきです。つまり、「自社ブランドを育てるための理論やフレームワーク=虎の巻」がちゃんと事業部内にあり、チームや組織内で共有され、定期的にアップデートされる体制が求められます。
CEPとメンタルアベイラビリティを軸としたブランド管理の技術
一方、エビデンスベーストマーケティングの中心地である南オーストラリア大学アレンバーグ・バス研究所によると、シェアの大きなブランドは、1つの強固なポジショニングで成長しているわけではなく、多くの「ブランドへの入口=カテゴリーエントリーポイント(CEP)」を持つことが分かっています。そうしたエビデンスに基づき、現在多くのマーケターが、ポテンシャルの高いCEPを見つけ、自社が想起される確率「メンタルアベイラビリティ」を高めようと試行錯誤しています。しかし、CEPをつくるというのはそんな簡単にできることではありません。カテゴリーや成長フェーズごとに着眼点も変わってきますし、ブランドが置かれた競争環境によって優先順位のつけ方やポテンシャル評価の視点も変わってきます。
これらを背景に本コースでは、CEPを軸としたブランド管理の技術を学び、データとエビデンスを基に担当者自身が「ブランドの育て方」を体系的に言語化する力を身につけます。コースの前半では、CEPを見つけるための定性調査やナラティブの技法を始め、定量的なポテンシャル評価、優先順位のつけ方、競合を想定した選び方、施策への落とし込み方まで、実践的なCEPマネジメント技術を学びます。
コースの後半では、CEPを軸としたブランド管理のKPIとなる「メンタルアベイラビリティ」を数値化し、評価するための分析手法を学びます。特に広告効果測定やキャンペーントレース、中長期のトラッキング調査、ブランドの健康診断などにおける利活用を想定し、「なぜメンタルアベイラビリティが購買の先行指標になるのか」「どのように測定し、分析するのか」「どうPDCAを回していくのか」といった手の動かし方を実データで解説します。こうした演習を通して、最終的には実際に「あなたのブランドの育て方=虎の巻」を作成してもらいます。
<こんな方におすすめ>
- 事業会社のブランド担当チームやプロジェクトチーム
- ブランドに関する意思決定を行うマーケターやブランドマネジャー
- マーケティング部、広告宣伝部、開発チームのメンバー
本講座は応用コースです。「エビデンスベーストマーケティングの基礎」修了者、もしくは同程度の知識を有する方が受講対象となります。
<こんな問いに答えます>
- CEPとは、そもそもどのように定義するものなのか?
- どのような観点からCEPのポテンシャルを評価すればよいのか?CEPはいくつあれば網羅したといえるのか?
- 1つのCEPに集中すべきなのか、複数のCEPをカバーすべきなのか?
- 小さなCEPしか空いていない時はどうするのか?
- どうすれば行動ロイヤルティの高い/習慣形成しやすいCEPを見つけられるのか?
- 新規獲得に向いたCEPとマージン改善に向いたCEPの判別方法は?
- CEPを見つけた後、どのように施策開発に結びつけていくのか?
- 未顧客の広告反応をどのように測定すればよいのか?
- メンタルアベイラビリティとはどのように数値化し、分析するのか?
- ブランドの健康診断やキャントレ(広告効果測定)にどう組み込むのか?
- CEPやメンタルアベイラビリティがどう中長期のブランド育成につながるのか?
<コース概要>
監修:メンタルアベイラビリティ研究分科会
目標:CEPを軸としたブランド管理を学び、「自社ブランドの育て方=虎の巻」をつくる
期間:3カ月程度(各社個別に随時開催)
形式:対面座学+ワークショップ(録画/アーカイブ無し)
対象:ブランド担当チームやプロジェクトチーム(5~6名を想定、事業会社限定)
費用:400-600万円(スコープや規模により変わりますのでお問い合わせください)
お問い合わせ:EBMI事務局 access@ebmi.jp(担当:篠原)