日本エビデンスベーストマーケティング研究分科会の公募のお知らせ

背景と課題
多くのマーケターは、自社ブランドが属する「カテゴリー」を理解しないまま、個別具体的な施策やキャンペーンの話から入りがちです。しかし本来、戦略や戦術を立てるためには、市場の「定数」や「規則性」、あるいはそれらの「例外」を前もって理解しておくことが不可欠です。そのカテゴリーがどのように買われ、どのような市場構造になっていて、どこにマーケティング介入の余地があるのか―こうした理解はミクロな顧客理解やCEP分析に先んじて必要であり、そうした前提知識があるからこそ中長期的な戦略や新商品の企画、ポートフォリオの最適化や広告への投資判断が実を結ぶのです。最近流行りのCEPにしても、ビジネスゴールやポートフォリオ管理との連携が十分でない現状では、本来の効果が十分に発揮されない恐れもあります。
カテゴリー理解のススメ
カテゴリー理解を進めると、そのカテゴリー固有のパターンが色々と見えてきます。「ダブルジョパディに従う」「浸透率が主たる成長ドライバーである」などはどのようなカテゴリーでも共通して確認されますが、大事なのはその後で、データから「そのカテゴリー特有の偏り」のようなものが見えてきます。例えば、どのような商品属性に浸透率から期待されるより高い水準のエクセスロイヤルティがあるのか。どこに増分浸透率を高めるポテンシャルがあるのか。その中で自社が獲りに行ける「交点」はどこか。こうしたことが分かると、新商品開発で最初から高いロイヤルティを狙いにいくことができますし、ブランドポートフォリオとしてどんなラインアップを用意しておけばよいかも見えてきます。
EBMI研究分科会募集のお知らせ
一方、日々の業務では、自分が担当するブランドのタスクや調整に追われ、カテゴリー自体に目を向ける余裕がないかもしれません。データが不足している、あるいは分析結果を解釈し、戦略としてまとめ上げるスキルが不足しているということもあるでしょう。そうしたことを背景に、EBMIでは、様々なカテゴリー理解を推進する研究分科会を募集しています。EBMI研究員のアドバイスの下、実際にカテゴリー理解のための分析を行い、参加者同士で知見を交換し、より強固なマーケティング基盤を築きませんか?皆様のご参加を心よりお待ちしています。
<公募から分科会発足までの流れ>

募集要項
評議員の在籍する事業会社勤務のマーケティング関連職(正社員に限る:外部からの出向社員などは不可)で、エビデンスベーストマーケティングに強い興味があり、社外活動としてEBMIの研究活動に参加されたい方、ブランディングの科学や戦略ごっこを読み込んでおり、それを自分が担当するブランドで実践したい方が対象となります。
研究の場はEBMIが提供しますが、各分科会の運営は皆さまにお願いします。例えばEBMI事務局ではデータサプライヤーとのマッチングや、研究員によるアドバイス、コミュニケーションチャネルの提供などの支援を行います。しかし、研究計画の作成や進行管理、分析実務、報告レポートの作成などは、基本的に各分科会のメンバーが自主的に進めていただく形になります(各分科会は、年に1回、評議会への報告義務があります)。
お問い合わせ:EBMI事務局(access@ebmi.jp)(担当:篠原)